マーク・トウェイン「ユダヤ人不滅の秘密は何か」

マーク・トウェイン

『トム・ソーヤーの冒険』の著者として知られる作家のマーク・トウェイン(1835年~1910年)は、ユダヤ人について次のように語っている。

 統計が正しければ、ユダヤ人は人類の1パーセントの4分の1を占めるに過ぎない。天の川の輝きの中に紛れ込んだ星塵のようなものだ。ユダヤ人は、本来ならほとんど知られていない存在でなくてはならないのだが、知られており、しかもずっと知られている。地球上に存在する他のどの民族にも劣らず傑出しており、その重要性は数の少なさとはまったく比例しないもので、途方もなく大きい。
文学、科学、芸術、音楽、金融、医学、難解な学問などの分野で活躍した世界に名だたるユダヤ人の貢献度も、その数の少なさを考えるとずば抜けて大きい。
そのことを説明しようとすれば、徒労に終わるか、説明できなくても無理もないと言われる。エジプトも、バビロンも、ペルシアも、全地を満たし、栄華を極めたが、やがて停滞が訪れ、歴史の表舞台から消えていった。その後、ギリシアとローマが興り、世界を席巻したが、今やその影も形もない。その後も次々に諸民族が歴史の表舞台に登場し、一時期文明の光を放ったが、その光はやがて失せ、斜陽が訪れ、歴史から姿を消していった。
ユダヤ人はそうした諸民族の興亡を目撃しつつ、それを尻目に今日まで生き延びてきた。そして、今もかつてと変わらず、衰退も衰弱もすることなく、その活力や進取の気性を失うこともない。万物には終わりがあるが、ユダヤ人だけは例外だ。どのような権勢を誇る者もやがて過ぎ去ってゆくが、ユダヤ人だけは生き残る。ユダヤ人不滅の秘密は何か。
― Mark Twain, American Author (1835-1910), “Concerning the Jews” (Harpers Magazine, March 1898)

If statistics are right, the Jews constitute but one quarter of one percent of the human race. It suggests a nebulous puff of star dust lost in the blaze of the Milky Way. Properly, the Jew ought hardly to be heard of, but he is heard of, has always been heard of. He is as prominent on the planet as any other people, and his importance is extravagantly out of proportion to the smallness of his bulk.
His contributions to the world’s list of great names in literature, science, art, music, finance, medicine and abstruse learning are also very out of proportion to the weakness of his numbers.
He has made a marvelous fight in this world in all ages; and has done it with his hands tied behind him. He could be vain of himself and be excused for it. The Egyptians, the Babylonians and the Persians rose, filled the planet with sound and splendor, then faded to dream-stuff and passed away; the Greeks and Romans followed and made a vast noise, and they were gone; other people have sprung up and held their torch high for a time but it burned out, and they sit in twilight now, and have vanished.
The Jew saw them all, survived them all, and is now what he always was, exhibiting no decadence, no infirmities of age, no weakening of his parts, no slowing of his energies, no dulling of his alert but aggressive mind. All things are mortal but the Jews; all other forces pass, but he remains. What is the secret of his immortality?

マーク・トウェインが抱いたような問いの答えとして、「ユダヤ陰謀論」を唱える人々がいる。ユダヤ人の存続と繁栄を目にして、理屈では説明ができないので「ユダヤ人が世界を操っている」と考えるのだ。しかし、そのような浅薄な答えではイスラエルの歴史をとうてい説明できない。

このマーク・トウェインの問いに対して、ユダヤ人神学者のアーノルド・フルクテンバウム博士は、著書『イスラエル学』で次のように記している。

ユダヤ民族の存続については、異邦人の歴史家だけでなく、ユダヤ人史家も一貫性のある説明ができないでいる。マーク・トウェインの「ユダヤ人不滅の秘密は何か」という疑問に対する答えは、アブラハム契約にある。それは、旧約聖書最後の預言者の叫びにもこだましている。「【主】であるわたしは変わることがない。ヤコブの子らよ。あなたがたは、滅ぼし尽くされない」(マラキ3:6)
ー アーノルド・フルクテンバウム(佐野剛史訳、中川健一監訳)『イスラエル学』(ハーベスト・タイム・ミニストリーズ、2018年)

イスラエルの歴史は、神の存在と神の約束を抜きにしては理解できない。

参考資料
  • アーノルド・フルクテンバウム(佐野剛史訳、中川健一監訳)『イスラエル学』(ハーベスト・タイム・ミニストリーズ、2018年)
  • 中川健一「アブラハム契約」(ハーベスト・メッセージステーション)

1 COMMENT

六倉航喜

バビロニアの繁栄などに関して、日本ではそれを元にした繁栄の仕方(お金のため方)が本になって出ていますが、そんな物はまやかしにしか過ぎないものであるということの確信をもつことの出来るイスラエルの民族的祝福ですね。
主のまもりと計画に感謝します。

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