IAEAがイランの核保有は不可避と発言

ラファエル・グロッシIAEA事務局長

グロッシIAEA事務局長
現在、イランの核開発を止めるための交渉が米国主導で進んでいる。しかし、『Israel Today』誌の報道によると、国際原子力機関(IAEA)事務局長のラファエル・グロッシは、この交渉を「失敗」と呼び、次のように語っている。

「もう手遅れだ。国際的な外交努力は失敗した。イランは核兵器を手にするだろう」。これが今週、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が伝えた悲痛なメッセージである。グロッシ事務局長は、ウィーンで開かれたIAEAの年次理事会で、イランがこのマイルストーンの達成に「かなり近づいている」と述べた。また、この時点では「回避することはできない」とも述べている。
― “Iran Will Go Nuclear, Laments IAEA Chief,” Israel Today, 8 Jun 2022

It’s too late. International diplomatic efforts have failed. Iran will cross the nuclear threshold. That was the dire message conveyed this week by Rafael Grossi, director-general of the International Atomic Energy Agency (IAEA). He told the IAEA’s annual Board of Governors meeting in Vienna that Iran was now “very close” to achieving this milestone. At this point “it cannot be avoided,” he added.

ナフタリ・ベネット首相
このような状況を受けて、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、クネセット(国会)の外交・防衛委員会で次のように発言している。

近年、イランは60%のウラン濃縮をはじめとするレッドラインを次々と越えている。世界は、それに反応することなく、何事もなかったかのようにふるまっている。イスラエルはそのような状況を受け入れることはできないし、そうするつもりもない。先週の金曜日、…グロッシ(IAEA事務局長)と会い、この件について話し合った。私は事務局長に、イランの核開発プログラムに対して、合意があってもなくても、イスラエルはいつでも必要な行動をとる自由を留保し続けるという立場を明らかにした。私たちの手を縛るものは何もない。
― “Iran Will Go Nuclear, Laments IAEA Chief,” Israel Today, 8 Jun 2022

“In recent years, Iran has crossed a series of red lines, especially in enriching uranium at a level of 60%—without a response, and the world goes on. Israel cannot—and will not—accept such a situation. Last Friday, I met with … Grossi and we discussed this. He came for a snap visit and I clarified Israel’s position, which is that we are acting, and will continue to reserve the freedom to take such action against the Iranian nuclear program as may be necessary, at any time, with or without an agreement. Nothing will tie our hands.”

この発言を裏付けるように、イスラエルではステルス戦闘機F-35に改修を施した空軍部隊が空爆の準備を進めていると報道されている(Yochanan Visser, “Israel Prepares for Military Option Against Iran,” Israel Today, 12 Jun 2022
)。

写真:グロッシIAEA事務局長: IAEA Imagebank (CC BY 2.0)/ベネット首相:The Israel Project (CC BY-SA 2.0)

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