終末預言を読み解く:世界統一政府

終末預言

聖書では、終わりの時代に世界統一政府が樹立されることが預言されています。いわゆる世界統一政府(One World Government)の預言です。この預言はまだ成就していませんが、その実現に向かって世界は動いています。

MEMO
世界統一政府の預言が成就しつつある兆候については、別の記事「時のしるしを見分ける:世界統一政府への動き」をご覧ください。

現在は、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻など、世界が激動の時代を迎えています。こうした今日の世界情勢の動向は、世界統一政府の樹立という聖書預言に立って眺めると、一つひとつの出来事がつながって全体像が浮かび上がってきます。

世界統一政府に関する預言

世界統一政府に関する預言はいくつかありますが、代表的なものは旧約聖書のダニエル7:23~24に記されている預言です。ここでは、終わりの時代に全世界を統治する世界政府が現れることが預言されています。

23  彼はこう言った。『第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く。 24  十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らの後に、もう一人の王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。 

ここで言う「獣」とは、覇権国家となる異邦人(ユダヤ人以外の民族)の国を指します。また、「第四の獣」とは、異邦人の覇権国家として最後に登場する国のことです。この国は「全土を食い尽くし」と言われていることから、全世界を統治することが預言されています。

また、この「獣」の国が全世界を支配することは、黙示録13:7~8でも預言されています。

7  獣は、聖徒たちに戦いを挑んで打ち勝つことが許された。また、あらゆる部族、民族、言語、国民を支配する権威が与えられた。 8  地に住む者たちで、世界の基が据えられたときから、屠られた子羊のいのちの書にその名が書き記されていない者はみな、この獣を拝むようになる。 

黙示録の文脈では「獣」は反キリストを指しますが、反キリストが支配する国がダニエル7:23~24の「第四の獣」に該当します。上記の聖句は終末時代の最後に来る大患難時代の描写で、この時代には「獣」の国が全世界を支配していることがわかります。

エゼキエル戦争と世界統一政府との関係

エゼキエル戦争(「ゴグとマゴグの戦い」とも呼ばれる)とは、終末時代にロシアを中心とする北方諸国がイスラエルを侵略する戦争を指し、エゼキエル38~39章で預言されています。

MEMO
エゼキエル戦争の預言について、詳しくは「終末預言を読み解く:ゴグとマゴグの戦い(エゼキエル戦争)」をご覧ください。

このエゼキエル戦争は、世界統一政府が樹立される前に起こります。それは、エゼキエル戦争では、ロシアを中心とする同盟国(主にイスラム諸国)がイスラエルを武力攻撃する主権を保持していることからわかります。世界統一政府が支配している状況では、各国が独自の軍事行動を起こすことはできないはずだからです。

また、エゼキエル戦争は、世界統一政府の樹立と直接的に関係しています。この戦争でロシアやイスラム諸国が崩壊することで、西側諸国の敵対勢力が消滅し、世界統一政府への道が開かれることになるためです。

MEMO
ロシアのウクライナ侵攻は、エゼキエル戦争に至る大きな流れの一部と考えることができます。

世界統一政府の特徴

聖書には、世界統一政府がどのような政府になるかも預言されています。ここでは、主な特徴を3つ挙げます。今、世界は、この3つの特徴を備えた世界政府を実現する方向に着実に向かっています。

完全監視社会

世界統一政府は完全監視社会になることが、黙示録13:16~17で預言されています。

16 また獣は、すべての者に、すなわち、小さい者にも大きい者にも、富んでいる者にも貧しい者にも、自由人にも奴隷にも、その右の手あるいは額に刻印を受けさせた。 17 また、その刻印を持っている者以外は、だれも物を売り買いできないようにした。刻印とは、あの獣の名、またはその名が表す数字である。

ここでは、反キリスト(獣)の「刻印」がなければ、売り買いができないと言われています。つまり、商売をして収入を得ることも、食料などの生活必需品を購入することもできなくなるということです。これでは生きていくことができず、反キリストに従うほか選択肢がなくなります。

このような社会になる兆候は、さまざまな場面で現れています。その一例として、ワクチンパスポートが挙げられます。現在では状況が変わっている地域もありますが、欧米ではワクチンパスポートがなければ入れない店が多数あります。カナダのある村では、一時期、スーパーマーケットで買い物をするのにもワクチンパスポートが必要とされ、ワクチンパスポートがなければ生活することもままならない状況になっていました。

クリントン政権のアドバイザーを務めた民主党員のナオミ・ウルフは、次のようにも述べています。1

(ワクチンパスポートの)計画がその通りに実施されれば、西側諸国における人間の自由は文字通り終わります。…ワクチンパスポートは、プラットフォームに何ができるかを知らなければ、まっとうなもののように聞こえます。私はハイテク企業のCEOをしていますので、こうしたプラットフォームが何をするかわかっています。問題はワクチンでも、ウイルスでもなく、データです。これが普及すれば、あなたは選択の余地なくシステムの一部になります。理解していただきたいのは、このプラットフォームには、それ以外の機能も問題なく搭載できるということです。

Vaccine passport … is literally the end of human liberty in the West if this plan unfolds as planned… Vaccine passports sound like a fine thing if you don’t know what those platforms can do. I’m CEO of a tech company, I understand what this platform does. It’s not about the vaccine, it’s not about the virus, it’s about data. And once this rolls out you don’t have a choice about being part of the system. What people have to understand is that any other functionality can be loaded onto that platform with no problem at all.

国民のデータをシステムで一元管理することで、把握することが可能になります。スーパーマーケットや、レストラン、公共交通手段などを利用する際に、このワクチンパスポートの提示を要求することで、人の位置情報や購入履歴をすべて把握する監視社会を作り上げることが可能であり、実際に中国ではそのような監視社会が出来上がっています。ワクチンパスポートの導入がすなわち監視社会の実現というわけではないのですが、支配者が悪用すれば徹底した監視社会を作り上げることができる体制が整いつつあります。そして、反キリストが支配者になる時には、実際にそのような社会が出現することになります。

世界統一宗教

世界統一政府は、世界統一宗教によって支えられることが聖書で預言されています。黙示録17:1~6には、そのような世界統一宗教に関する描写があります。

1 また、七つの鉢を持つ七人の御使いの一人が来て、私に語りかけた。「ここに来なさい。大水の上に座している大淫婦に対するさばきを見せましょう。 2 地の王たちは、この女と淫らなことを行い、地に住む人々は、この女の淫行のぶどう酒に酔いました。」
3 それから、御使いは私を御霊によって荒野へ連れて行った。私は、一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た。その獣は神を冒涜する名で満ちていて、七つの頭と十本の角を持っていた。 4 その女は紫と緋色の衣をまとい、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものと、自らの淫行の汚れで満ちた金の杯を手に持っていた。 5 その額には、意味の秘められた名、「大バビロン、淫婦たちと地上の忌まわしいものの母」という名が記されていた。 6 私は、この女が聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔っているのを見た。私はこの女を見て、非常に驚いた。

ここでは「一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た」と言われており、世界統一宗教(「女」)と世界統一政府(「獣」)が一体となって世界を統治する様子がうかがえます。この「大淫婦バビロン」と呼ばれる世界統一宗教について、ユダヤ人神学者のフルクテンバウム博士は次のように述べています。2

淫婦バビロンは、患難時代の前半に宗教界を支配する世界統一宗教体制を表している。淫婦バビロンは世界の国々(「大水」)を支配し、宗教界を完全に支配し、政府の消極的な支持を受けている。この世界統一宗教の本部は、再建された町、偶像崇拝の母であるバビロンに置かれる。偶像崇拝と偽宗教は、ここで始まったからである(創世記11:1~9)。

Babylon the harlot represents the one-world religious system that rules over the religious affairs during the first half of the tribulation. She rules over the nations of the world (the “many waters”), fully controlling religious affairs, and has the reluctant support of the government. The headquarters of this one-world religion will be the rebuilt city of Babylon, the mother of idolatry, for it was here that idolatry and false religion began (Gen. 11: 1-9).

この世界統一宗教は、世界のさまざまな宗教を一つの傘の下に統一し、世界統一政府の実現に協力します。国際政治学者のチャールズ・P・シュライヒャーは、世界統一宗教と世界統一政府の関係について、著書で次のように語っています。3

人間が熱烈に傾倒する普遍的な宗教、すなわち唯一の神への献身と共通の兄弟愛で人間を結びつける宗教だけが、人々の間の分裂と世俗的な国民国家の崇拝を克服するのに役立つと信じる人々がいる。

There are those who believe that only a universal religion to which men are fervently devoted, one which unites men in devotion to a single god and in a common brotherhood, will serve to overcome divisions among men and the worship of the secular nation-state.

ここでシュライヒャーは、宗教の統一によって人々の分断がなくなり、国家という壁を克服して統一国家を生み出せるようになると語っています。そして、聖書の預言によると、実際にそのようになるのです。

ただし、フルクテンバウム博士が「政府の消極的な支持を受けている」と語っているように、世界統一宗教は最終的には反キリストに滅ぼされます。世界統一政府の樹立という目的を達成する手段として利用した後、反キリストは自分が神であると宣言をし、この「大淫婦」を葬ることになるためです(黙示録17:16)。

なお、 6節の「 私は、この女が聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔っているのを見た。私はこの女を見て、非常に驚いた」という言葉から、世界統一宗教はイエスの証人であるクリスチャンを迫害し、殉教者が出ることも預言されています。

一時的な平和

先ほど、世界統一政府が樹立される前にエゼキエル戦争が起こると述べました。また、現在の世界情勢を見ていると、中国の周辺地域など、エゼキエル戦争のほかに別の地域で戦争が起こる可能性もあります。このような世界情勢の中で、世界の人々が平和を願い求めるようになることが当然予想されます。世界統一政府は、そのような平和を求める声に押される形で樹立され、当初はその声に応えることが、以下の1テサロニケ5:2~4からわかります。この箇所では、世界統一政府によって一時的な平和が訪れることが示唆されています。

主の日は、盗人が夜やって来るように来ることを、あなたがた自身よく知っているからです。 3 人々が「平和だ、安全だ」と言っているとき、妊婦に産みの苦しみが臨むように、突然の破滅が彼らを襲います。それを逃れることは決してできません。 4  しかし、兄弟たち。あなたがたは暗闇の中にいないので、その日が盗人のようにあなたがたを襲うことはありません。 

この聖句について、フルクテンバウム博士は次のように語っています。4

この箇所でも、患難期を意味する「主の日」という言葉が出てくる。人々が「平和だ、安全だ」と言っている時に、患難期が突然訪れ、破壊的な力で襲ってくるのである。このことは、患難期が始まる直前に、偽りの平和の時代が来なければならないことを示している。つまり、世界が10か国の王国に分裂し、反キリストが権力の座に上り詰める間は、平和な時代が続く。しかし、そのような平和は患難期の到来によって打ち砕かれるのである。

Once again, the term “the day of the Lord” is found in this passage as a reference to the tribulation. At a time when men are saying, “Peace and safety,” the destruction of the tribulation suddenly hits with devastating force. This fact will require the period of false security to come just before the act that initiates the tribulation itself. So, while the world is divided in ten kingdoms and the Antichrist is rising to power, there will be a period of peace. Yet, it will be shattered by the tribulation.

一時的ではありますが、世界統一政府は平和を実現します。「時のしるしを見分ける:世界統一政府への動き」でも述べましたが、現在世界統一政府を求めている人々も、(少なくとも表面的には)世界平和を実現することを目指しています。この「世界平和」が、世界統一政府を形成する原動力になります。

世界統一政府成立の3段階

先ほど引用したダニエル7:23~24では、次のように言われていました。

23 彼はこう言った。『第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く。 24 十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らの後に、もう一人の王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。

この聖句から、世界統一政府は3つの段階で成立することがわかります。

  1. 世界統一政府
    世界統一政府が樹立され、全世界を支配するようになります(「これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く」)。

  2. 世界10か国による分割統治
    世界統一政府が10か国に分かれ、10か国による世界統治に移行します(「十本の角は、この国から立つ十人の王」)。この箇所は、世界統一政府が分裂して10か国になるとも読めますが、世界政府は10か国の地域政府で構成される連邦国家のようなものと考えることもできます。

  3. 反キリストのみが君臨する世界統一政府
    この10人の王の後に、反キリストが台頭します(「彼らの後に、もう一人の王が立つ」)。そして最終的に、10人の王のうちの3人を倒し、反キリストが世界統一政府の頂点に立つことになります。

世界政府の最終段階となる反キリストの統治する世界統一政府は、患難期の中間に成立し、患難期の後半3年半の間、世界を治めることになります。このことはダニエル7:25で預言されています。

25  (反キリストは)いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを悩ます。彼は時と法則を変えようとする。聖徒たちは、一時と二時と半時の間(注:三年半)、彼の手に委ねられる。   

世界統一政府の最後

続くダニエル7:26には、反キリストの世界統一政府が最終的に滅ぼされることが預言されています。

26 しかし、さばきが始まり、彼の主権は奪われて、彼は完全に絶やされ、滅ぼされる。

ヨエル3:2では、この世界政府と反キリストが最後はエルサレム(ヨシャファテの谷)でキリストによって滅ぼされることが預言されています。

2 わたしはすべての国々を集め、彼らをヨシャファテの谷に連れ下り、わたしの民、わたしのゆずりイスラエルのために、そこで彼らをさばく。彼らはわたしの民を国々の間に散らし、わたしの地を自分たちの間で分配したのだ。

まとめ

ここまで書いてきたことは、今はまだ夢物語のように感じるところもあると思います。しかし、世界情勢を見ていれば、行きつ戻りつはありながらも、世界は着実に聖書で預言されているとおりの方向に進んでいます。現在のような先が見えない時代は特に、聖書の預言のことばに耳を傾ける必要があります。聖書の預言は、ユダヤ人の約束の地への帰還、イスラエル国家の再興など、これまでも確実に成就してきたためです。

世界はますます混迷を深めていくことが予想されますが、そのような中でも、聖書のことばを握りしめている人は右往左往する必要がありません。究極的に行き着く先を知っており、どのような状況でもキリストに信頼することができるためです。神は現在の状況を旧約聖書のダニエルの時代(今から2千5百年以上前)からあらかじめ告げておられます。このようなことが可能なのは、聖書の神が天地創造の神であり、全知全能の唯一神だからです。そのことは、聖書自体でもイザヤ46:5~10で宣言されています。

5 わたしをだれになぞらえて比べ、わたしをだれと並べて、なぞらえるのか。 6 袋から金を惜しげなく出し、銀を天秤で量る者たちは、金細工人を雇って、それで神を造り、ひざまずいては、これを拝む。 7 彼らはこれを肩に担いで運び、それがあったところに安置すると、それはそこに立ったままである。これはその場所から動かない。これに叫んでも答えず、苦しみから救ってもくれない。 8 このことを思い出し、勇み立て。背く者たちよ、心に思い返せ。 9 遠い大昔のことを思い出せ。わたしが神である。ほかにはいない。わたしのような神はいない。 10 わたしは後のことを初めから告げ、まだなされていないことを昔から告げ、『わたしの計画は成就し、わたしの望むことをすべて成し遂げる』と言う。

このみことばに信頼して、皆様が平安の中を歩まれることを祈ります。

この記事を書いた人:佐野剛史

参考資料

  • Arnold G. Fruchtenbaum, The Footsteps of the Messiah – Revised Edition 2020 (Ariel Ministries, 2020) (Kindle版)
  1. Naomi Wolf, “Liberal Author Naomi Wolf Warns ‘Vaccine Passports’ Are the ‘End of Human Liberty in the West'” (PJ Media, May 30, 2021) (https://pjmedia.com/NEWS-AND-POLITICS/VICTORIA-TAFT/2021/03/30/LIBERAL-AUTHOR-NAOMI-WOLF-WARNS-VACCINE-PASSPORTS-ARE-THE-END-OF-HUMAN-LIBERTY-IN-THE-WEST-N1436064)

  2. Arnold G. Fruchtenbaum, The Footsteps of the Messiah – Revised Edition 2020 (Ariel Ministries, 2020) (Kindle版)

  3. Charles P. Schleicher, Introduction to International Relations (New York: Prentice-Hall, 1954); quoted in Pat Robertson, The New World Order (Dallas: Word, 1991), 157-58.

  4. Arnold G. Fruchtenbaum, The Footsteps of the Messiah – Revised Edition 2020 (Ariel Ministries, 2020) (Kindle版)

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