ユダヤ教のラビの間でイエスの再評価が始まる

ラビ

イスラエル国内外の25人以上の高名なユダヤ教のラビが、イエスやクリスチャン、新約聖書の信仰を改めて見直すよう呼びかけた声明を『Israel Today』誌が次のように紹介している。

「イエスは世界に二重の善をもたらしました」と、著名なラビたちは宣言している。 「一方では、イエスはモーセの律法を確固たるものとしました。……ユダヤ教の賢者の中で、律法の不変性をこれほど強調した人はいませんでした」。それと同時に「イエスは諸国から偶像を取り除いたのです」 
― David Lazarus, “Rabbis Bring Jesus Home for ChristmasIsrael Today, 23 Dec 2022

“Jesus brought a double goodness to the world,” declared the group of well-known rabbis. “On the one hand he strengthened the Torah of Moses majestically… and not one of our Sages spoke out more emphatically concerning the immutability of the Torah.” At the same time “he removed idols from the nations.” 

新約聖書で、ユダヤ教の指導者が「あのナザレ人イエスは、この聖なる所を壊し、モーセが私たちに伝えた慣習を変える」(使徒6:14)と非難していたことを考えると、歴史的な大転換だ。

この宣言が発表されたのは2015年と少し前のことだが、ユダヤ教の高名な正統派ラビが多数署名しており、重要性は失われていない。むしろ、イエスを信じるメシアニックジューが増加している現在、重要性は増している。この宣言では、次のようにも言われている。

二千年近くにわたって敵対し、疎外し合っていた過去を経て、イスラエル、米国、欧州のユダヤ人共同体、研究機関、神学校を代表する私たち正統派ラビは、いま歴史的な機会を目の前にしています。私たちは、キリスト教の兄弟姉妹から差し伸べられた手を取り、天の父のみこころを実行しようとしています。ユダヤ教徒とキリスト教徒は、私たちの時代の道徳的課題に取り組むパートナーとして協力する必要があります。
― “Orthodox Rabbinic Statement on Christianity,” CJCUC, 3 Dec 2015

After nearly two millennia of mutual hostility and alienation, we Orthodox Rabbis who lead communities, institutions and seminaries in Israel, the United States and Europe recognize the historic opportunity now before us. We seek to do the will of our Father in Heaven by accepting the hand offered to us by our Christian brothers and sisters. Jews and Christians must work together as partners to address the moral challenges of our era.

ユダヤ人がキリスト社会で反ユダヤ主義、十字軍、異端審問といった迫害を受けてきたことを考えると、このような声明が出るのは驚くほかない。

歴史的に、ユダヤ人はイエスを信じると家族から勘当されたり、ユダヤ人共同体から迫害を受けたりすることが多かった。しかし、ユダヤ教で尊敬されているラビたちが上記のような声明を出している今、ユダヤ人がイエスをメシア(救い主)と信じる上での障害が取り除かれつつある。

ユダヤ教・キリスト教相互理解・協力センター(Center for Jewish-Christian Understanding & Cooperation)の学術ディレクターであるラビ、ユージン・コーン博士は、次のように指摘する。

この宣言の画期的な点は、ユダヤ教徒の生活で中心的な位置を占め、影響力のある正統派ラビが、…キリスト教とユダヤ教は霊的にも、実践的にも多くの共通点があることをついに認めたことです。私たちの不幸な歴史を考えると、このようなことは正統派では前例がないことです。
― David Lazarus, “Rabbis Bring Jesus Home for ChristmasIsrael Today, 23 Dec 2022

This proclamation’s breakthrough is that influential Orthodox rabbis across all centers of Jewish life have finally acknowledged that… Christianity and Judaism have much in common spiritually and practically. Given our toxic history, this is unprecedented in Orthodoxy.

ユダヤ教がキリスト教を肯定的にとらえる動きは、聖書の預言とも一致する。聖書では、すべてのユダヤ人がキリストを受け入れると預言されている。

ユダヤ人に対する預言

多くの聖書箇所では、キリストが再臨する直前に、ユダヤ人はすべて救われると預言している。ローマ11:25~27では、次のように預言されている。

25  兄弟たち。あなたがたが自分を知恵のある者と考えないようにするために、この奥義を知らずにいてほしくはありません。イスラエル人の一部が頑なになったのは異邦人の満ちる時が来るまでであり、 26  こうして、イスラエルはみな救われるのです。「救い出す者がシオンから現れ、ヤコブから不敬虔を除き去る。 27  これこそ、彼らと結ぶわたしの契約、すなわち、わたしが彼らの罪を取り除く時である」と書いてあるとおりです。 

MEMO
ユダヤ人がすべて救われるという聖書預言については、「終末預言を読み解く:ユダヤ人の民族的救い」を参照してください。

現在は、ユダヤ人伝道で有名なJews For Jesusや、One For Israelのインターネット伝道などの活動を通して、多くのユダヤ人がキリストを信じ、救われている時代である。この現状と、ユダヤ民族の救いの預言とは無関係ではない。時代は、聖書預言の成就に向かって動いている。今後も、ユダヤ人はイエス・キリストに心を開いていくだろう。

ユダヤ人がキリストに近付いているということは、聖書が預言するキリストの再臨が近いということの裏返しでもある。あなたがまだキリストを信じていないのであれば、聖書で預言されている大患難時代という過酷な時代が到来する前に、聖書が語る福音にぜひ耳を傾けてほしい。

参考資料

写真:Azriell (写真はイメージです)

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