ロシアがシリア空爆をめぐってイスラエルに警告

イスラエル空軍F-16

ロシアとイスラエルがシリアで交戦状態に入る可能性が出てきている。

ロシアは、シリア内戦以降、シリアにロシア軍を駐留させてアッサド政権を支えている。これによりシリアの内戦は鎮静化したが、隣国イスラエルにとっては危険な状況が続いている。ロシアと共に、イランも軍をシリアに駐留させ、レバノンのヒズボラなど、イスラエルの敵対勢力を支援しているためだ。そのため、イスラエルはシリア国内のイランやイランの支援を受けた武装勢力の拠点や物資に対して定期的に爆撃を行っている。

このイスラエルが行っているシリア国内の爆撃をめぐり、今年に入ってロシアが警告を発するようになり、緊張関係が高まっている。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、今年2月に次のような声明を出している。

シリア国内の標的に対するイスラエルの継続的な攻撃は大きな懸念材料だ。それはシリア対する重大な主権侵害であり、事態を急速にエスカレートさせる引き金となる可能性がある。
ー “Russia Tells Israel to Stop Bombing Syria,” Israel Today, 5 July 2022

The continuing Israeli strikes on targets in Syria are a major concern. They constitute a gross violation of Syrian sovereignty and are capable of triggering a rapid escalation of the situation.

5月には、ロシア軍は実際にイスラエル軍機に対してシリア軍と共にS-300対空ミサイルを発射したと報道されている

7月2日に行われたイスラエル空軍によるシリア爆撃に対しても、ロシア外務省は次のような声明を出している。

われわれは、シリアの主権と国際法の基本的規範に違反するこのような無責任な行動を強く非難し、その無条件停止を要求する。
ー Itamar Eichner, “Russia condemns Israel for ‘air aggression’ on Syria“, ynet news 4 July 2022

We strongly condemn such irresponsible actions that violate the sovereignty of Syria and the basic norms of international law, and we demand their unconditional cessation.

ウクライナへのロシアの攻撃はどうなるのだと突っ込みたくなる言葉ではあるが、イスラエルとロシアが一触即発の状況にあることは確かである。ゴグとマゴグの戦い(エゼキエル戦争)の預言では、ロシアがイスラエルに侵略戦争を仕掛けることが預言されている。その預言の状況に歴史は少しずつ動いている。

写真:WikiPedia Commons

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